宮城大学の講義室より
データビジネスの姉歯です。
どんな人が友達になるか考えてみてください。
まず、同じ学校に通っていたり、職場が近かったり、よく行く飲み屋さんの常連だったりと物理的に距離が近い場合があります。次に、趣味が同じだったり、ネットのコミュニティで知り合ったりと、興味関心の分野が近い場合があります。
でも、距離や興味関心が近くても、必ず友達になるわけではありませんよね。何度か話をしてみて、お互いに相手と話が合うなと思ったら初めて密なコミュニケーションを取り合うようになり、時間をかけて友達になっていきます。
これ、ビジネスでも同じです。友達化プロセス(仮)の中で言うと、「新規のお客さんになってもらう」というのは「密なコミュニケーションを取り合うようになる」というステップに相当します。
新規のお客さんになってもらえれば、友達との仲を深めるのと同じように、メールやお手紙でコミュニケーションを重ねて信頼関係を深めていけば良いわけです。
問題は新規のお客さんになってもらうまでです。
友達作りを新規集客に生かすには?
多くのビジネスではここに苦労するわけですね。どこにお客さんがいるのかわからない、どうやって取引を始めたら良いかわからない、というわけです。
でも、これも友達を作るときと同じです。「距離や関係性の近い人とコンタクトを取れば良い」というだけのことなのです。
意識せずにこの戦略をとっている方も少なくありません。わかりやすいのが店舗の看板です。店舗の前に看板を出すという行為は、その店舗の近くを通る人に対して毎日店舗の情報を提供するというコミュニケーションです。
大手企業が行っているイメージ広告も同じような側面があります。何度も同じ商品のCMを流すことで、その商品に興味関心がある人とコミュニケーションを取っている訳です。
問題なのは小さなビジネスが店舗も持たずにネット販売を始めるときです。ネットストアは物理的な店舗ではありませんので、その近くを通りかかる人は存在しません。それに、大手企業のように何度もマスメディアにCMを出せるような資本力もありません。
この場合最も簡単なのは「ビジネスに興味がある人を広告で集める」という戦略です。商品を買ってもらう訳ではありませんので、ある意味「お金を使わないお客さん」をお金を使って集めるわけですね。
例えば無料のレポートを提供する代わりに連絡先を教えてもらい、連絡を取ってみたらどうなるでしょうか。つまり、友達化プロセス(仮)で言えば「同じ興味関心を持つ相手と何度か話をしてお互いに会う人か確かめる」というプロセスをこなのです。
当然、全ての人が商品を買ってくれる訳ではありませんが、その中の何割かは実際にお金を出して商品を購入してくれます。最初の商品を買ってくれれば、後は普通のビジネスと同じですよね。
少し手間だけど試す価値は高い
このやり方は最初の広告費はかかりますが、連絡先がわかっていればその後コミュニケーションを取るためのコストは限りなく少なくて済みます。
最初の広告費も、ネット広告を利用すれば少ない投資で始められます。さらに、そうやって集めたお客さんのうち何人がいくらの商品を買ってくれるかがわかっていれば、多少時間がかかっても広告費を回収して利益を出せます。
この方法はちょっと複雑なやり方です。でも、もしあなたが小さなビジネスを経営していて、これからネットにも力を入れていこうと考えているならとても強力な武器になります。
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