宮城大学のラウンジより
データビジネスの姉歯です。
先日マニュアルはすごいという話を書きました。
この話を受けて、「マニュアル対応って良くない事なのでは?」という質問がありましたので、今日はその話を書きたいと思います。
確かに、マニュアル通りの対応しかできないのは問題です。いずれはマニュアル以上の、お客さんが求めている対応をできるようになるのが理想でしょう。
特に、これはマニュアルのレベルが低い場合に顕著です。誰でもできるレベルに合わせてマニュアルのゴールを設定すると特に目立ちますね。
先日の記事でも書きましたが、マニュアルを作るのは大変です。だから、誰でもわかりやすい水準に業務レベルを落としてマニュアルを作るケースが少なくありません。
そうすればすべての事について細かく書かなくても、スタッフは行間を読んで業務をしてくれます。でもそのレベルのマニュアルに従って、それ以上の対応しかしなかったら、お客さんは物足りなさを感じてしまいますよね。
レベルの高いマニュアルを作ろう
でも、業務のレベルを高い水準にしてマニュアルを作ったらどうでしょうか。
もちろん、それを誰でもできるレベルに落とし込むのは大変です。大雑把な内容では駄目で、細かい内容までしっかりブレイクダウンして手順に落とす必要があります。そのマニュアルを実施するために、事前の準備が必要なケースもあるでしょう。
でもそれができれば、高い水準の業務をマニュアル化できます。
例えば、私が経営しているコーヒー販売のビジネスでは、たくさんコーヒーを買ってくれている上位のお客さんに、サプライズプレゼントを贈っています。
このプレゼントはお客さんにとって思いがけないタイミングで届くため、受け取った人は例外なく感激し、御注文やメール、場合によっては感謝のお手紙を送ってくださる方もいらっしゃいます。
一見これはとてもレベルの高い対応に見えますが、実際はマニュアル化されています。ざっくり言うと、「過去1年間に、特定回数または特定金額以上の購入があった人に対して、その人が初めて商品を買ってくれた日に、季節の挨拶を添えてプレゼントを贈る」というマニュアルです。
もちろん、そのマニュアルを実行するためには初回購入日、リピート管理などの情報収集が事前に必要ですが、それさえできていれば誰にでもできる訳です。
プレゼントを受け取った人には「こんな気遣いをしてくれるお店は初めてで、今後もずっと買いたい」と言って頂けます。でも、誤解を怖れずに言えば実際は気遣いではなく単にマニュアル通りの対応で、昨日入ってきたバイトにでもできる作業です。
まあ、そこまで言うと無味乾燥すぎますので意図を明かすと、ビジネスとしてどんな方法でお客さんに感謝を伝えるかを明確にして、誰でもできるように手順化している訳ですね。
多くのビジネスで、マニュアルのレベルはここまで届いていません。でも、このレベルのマニュアルが作れたらあなたのビジネスは成功する可能性が高まります。
壁は高いですが、是非挑戦してみてください。
コメント
コメント一覧 (2件)
時々、役所などでみっちり緻密なマニュアルを外注してつくって市民に対応したら、もっと良くなるのでは、と思う事があります。
特に保健所さんは担当毎に基準が違うケースがあるので、しっかり線を引いてほしいですよね。