自宅のリビングより
データビジネスの姉歯です。
お金をかけて、それより大きなお金を手に入れる。経営を一言で表すとそういう事ですよね。
つまり、自分のビジネスが儲かる構造になっているかどうかを手っ取り早く調べるためには二つの数字を見ればいいわけです。一つはかけたお金がどれだけか。もう一つはそれによって得られたお金はどのくらいか。
マーケティングの世界ではかけたお金がどれくらいかを表すのに「顧客獲得コスト」という言葉を使い、得られたお金がどれくらいかを表すのに「顧客生涯価値」という言葉を使います。
顧客獲得コストというのは、新しく一人のお客さんと取引を始めるのに必要な平均コストです。ここには広告費や営業工数、原価などを含みます。もちろん、お客さんによって取引開始までどのくらいコストがかかるかは一定しませんので、全顧客の平均値を算出します。
顧客生涯価値というのは、獲得した一人のお客さんが、その後どのくらいのお金を使ってくれるかを表す数字です。これも平均値で考えてください。
引き算ができれば充分
この二つを算出できると、例えば「お客さんの生涯価値が10,000円だから、新しいお客さんを一人獲得するのに10,000円まで使っても赤字にはならない」ということが分かります。
このときポイントは「生涯価値」を本当の一生涯で考えるのではなく、3ヶ月程度で考える事です。そうしないと、顧客獲得にかかったコストをいつまでも回収できず、資金繰りが詰まって倒産してしまう危険があります。
生涯価値を3ヶ月で計算し、顧客獲得にかけるお金はそれと同じだけと決めておけば、顧客獲得にかかったコストは3ヶ月で回収できます。その後の取引は原価を除いて全て利益と考える事ができるわけですね。
また、この計算ができると、広告の損益分岐点が分かります。
多くの企業は広告にどのくらいお金をかければ良いか分からないまま広告を出しています。結果として、広告にかけるお金をなるべく少なくしたいと考えているケースがほとんどです。
でも、顧客生涯価値や3ヶ月目以降の購入金額が顧客獲得コストを大きく上回っているなら、その商品の広告はどんどん出した方が良いですよね。広告費をかければかけるほど利益が出る事が分かっているわけですから、こんなに美味しい事はありません。
あなたのビジネスの顧客獲得コストと顧客生涯価値、是非計算してみてください。
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