東松島の印刷工房より
データビジネスの姉歯です。
コンサルタントの実績で、「月間売り上げ10倍!」というのを時々見かけます。一見嘘くさいのですが、実はこの数字は簡単に実現できます。そして何の意味もありません。むしろ会社の業績にとってはマイナスになることもあります。
カラクリは単純で、売上の前借りをすれば良いだけです。
美容室を例に考えてみましょう。毎月来てくれる上得意客がいたとします。その人は放っておいても毎月来てくれるわけですから、特に何もする必要はありません。
でも、その人に対して年間パスを販売したらどうでしょうか。12回使える年間パスを10回分の値段で販売したら?たぶんこのお客さんはありがたいと思って年間パスを購入するはずです。
こんなお客さんがたくさんいれば、1ヶ月の売上が10倍、なんていうのは簡単に達成できますよね。
単月の売上が十倍になっても意味はない
確かにそれはお客さんの満足度を上げるという意味では価値のある方法かも知れません。でも、年間で12回の売上を作ってくれるお客さんに対して10回分の売上しかつくれず、サービスは12回提供することになります。
このため、実際にはその美容室の経営は厳しくなるでしょう。原価が同じまま売上が減るわけですから余裕もなくなります。
この施策を提案したコンサルタントは、確かに月間の売上を10倍にしました。それは事実ですから、彼らがこのことを宣伝に使うのは合法的で、誇大広告でも何でもありません。
でも、年間の売上で見たらマイナスしかありませんよね。もしあなたのところに「月間売り上げ10倍!」という実績をひっさげたコンサルタントがやってきたら「で、年間の実績はどうだったんですか?もちろん10倍になったんですよね?」と聞いてみてください。
答えに詰まるようなら、そんな手合いには関わらない方が良いですよ。
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