簡単じゃないと伝わらない

仙台の会議場より

データビジネスの姉歯です。

学生の頃。デザインの勉強をしていたことがあります。といっても世の中でイメージされるような「綺麗なものを作る」「カッコいいものを作る」という勉強ではありません。工業デザインで、「どうやったら使いやすくなるか?」という勉強でした。

その授業の中で、逆に「使いにくいデザインを作ってみてください」という課題が出た事があります。みんなで色々考えておかしなデザインを作り、「フェイクのレバーがついている」「ボタンがとんがっていて押すと痛い」「ピクトグラムがまぎらわしい(例えば男子トイレのマークが赤い)」というのを満を持して出しました。

ところが、一番使いにくいという評価になったのは「やたら機能がいっぱいついている機器」でした。これは使いやすさについて学ぶ人のバイブルにあたる「誰のためのデザイン?」という本にも例として載っています。

機能が多いというのは一見万能で良いように思えるのですが、実際はそれぞれの機能を選択する操作が煩雑だったり、他の機能を実現するために専門のツールに比べると機能が落ちていたりします。結果として使いにくくなってしまう訳なんですね。

実はこれ、チラシのデザインでも同じですし、もっといえば文章でも同じです。高機能の製品やサービスはたくさんの効果がありますよね。だから、売っている側としてはその機能を余すところなく伝えたくなります。

でも、たくさん詰め込むと伝える事がぼやけてしまいます。するとお客さんの側から見て「結局何が言いたいの?」となってしまうわけですね。チラシを作るときには一つに絞ってシンプルに伝えるようにしてください。

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この記事を書いた人

MDR株式会社代表取締役。
経営コンサルタントとして年間50本のセミナーと200回の個別セッションをこなしながら、自分でも経営実践としてコーヒーのお取り寄せサイトを経営する。
事業構想修士(Master of Project Design)。宮城大学事業構想学群事業プランニング学類、東北文化学園大学経営法学部非常勤講師。

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